Home映画「映画祭」へ撮影白熱 南極...

「映画祭」へ撮影白熱 南極days(18) | 岩手日報 IWATE NIPPO


 「はい、カット! もう少しこっちに寄って」。監督の声が響く。南極・昭和基地で、国際映画祭出品作品の撮影が展開された-。

 ちょっと大げさだったか。撮影は、南極や南大洋の25基地が余暇を利用し、製作した映画を競い合う「南極映画祭」向けのもの。14日まで3日間、オンラインで開催された。第63次南極地域観測越冬隊(沢柿教伸(たかのぶ)隊長)も参加し、今年は大会運営も担った。

 「自由部門」と提示された条件を満たした作品を時間内に撮る「48時間部門」で実施。同部門の条件は▽ミルクを泡立てる音▽ハンマー▽有名映画のセリフ▽ウォーリー▽バケツに入った水を頭にかける-の五つを作品に入れることだ。

 63次隊の同部門の監督は根岸晃芸(こうき)さん(30)=国立極地研究所、甲府市出身。「寿司(すし)ミステリー」と題し、探偵が基地内で発生したすしを巡る事件の真相を究明する作品を撮影した。海外から見た日本のイメージを意識し、忍者や餅つきなども登場させた。

 根岸さんは「初めての映画撮影。ナンバーワンになれなくてもオンリーワンを」とカメラを構えた。撮影開始から48時間以内で仕上げるため、撮影後は編集担当者が作業に励んだ。

 南極映画祭は、2006年にマクマード(米国)とスコット(ニュージーランド)の両基地で始まったイベント。入賞作品は各基地の投票で決め、結果は9月上旬に発表される。

 運営を担った溝口玄真(げんま)さん(25)=名古屋大宇宙地球環境研究所、岐阜県大垣市出身=は「各国の文化や生活を知る面白い機会。画面を通して交流の機会になった」と総括。極寒、閉ざされた空間という厳しい環境で観測する世界の仲間と、有意義な余暇を共有できた。

◇      ◇

 第63次南極観測越冬隊の活動は、岩手日報本紙をご覧ください。

定期購読申し込み・ご案内

岩手日報本紙電子新聞



LEAVE A REPLY

Please enter your comment!
Please enter your name here

最新記事