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ニューヨークで日本人劇団が「忠臣蔵」 セリフは日本語、言葉を超える本格的時代劇:東京新聞 TOKYO Web


 舞台芸術の中心地・米ニューヨークで、日本語と英語を織り交ぜた演劇を展開する日本人劇団「アマテラス座」が、注目を集めている。10〜11月には時代劇「忠臣蔵」を上演し、本格的な殺陣や伝統を反映した所作で現地の観客を魅了した。代表を務める宝塚歌劇団出身のアコ・ダクスさん(74)は「迫力は言葉を超えて伝わる。日本人の活躍の場を広げたい」と話す。(ニューヨーク・杉藤貴浩)

「忠臣蔵」の一場面。セリフの大半は日本語で上演され、背景に英訳が写し出される=アマテラス座提供

 ニューヨーク中心街にある定員100人ほどの小劇場に「エイ、エイ、オー」という勝ちどきが響き渡った。アマテラス座が演じる「忠臣蔵〜47人の浪士(CHUSHINGURA—47Ronin—)」のヤマ場。赤穂浪士役の俳優らが、討ち入りの場面で切れの良い刀さばきを見せると、客席は静かな興奮に包まれ、終幕では長い拍手が続いた。

 時代背景などを説明するナレーション以外、セリフはすべて日本語。舞台の上方に英訳が映し出される形式だ。地の利がないニューヨークでも本格的な時代劇を追求し、上演前に日本から髪を結うプロを呼ぶなど細部にもこだわっている。

 浪士を率いる大石内蔵助の妻を演じたアコさんは上演後、「日本人が好む浪士たちの真摯しんしな生き方は国が違っても通じると思った。何に命をかけて生きるかは万人共通のテーマだから」と忠臣蔵を選んだ思いを明かした。

 アコさんは宝塚で夏海陽子の芸名で活躍した後、40年ほど前に渡米。舞台や映画などで経験を積んできたが、「日本人に向いた配役を待っているだけでは物足りない。日本の古典を含め、好きなものを演じたい」という思いが募り、2018年にアマテラス座を設立した。「米国で夢を追いかける後進に成長の場を提供したい」との気持ちも挑戦を後押しした。

3日、米ニューヨークで「忠臣蔵」の本番を終え、手応えを語る(左)から小野功司さん、前嶋利菜さん、アコ・ダクスさん=杉藤貴浩撮影

 忠臣蔵で浪士の―人を演じた劇団四季出身の俳優小野功司さん(41)は「重心を低く保つなど時代劇の所作を学んだ」と演技の幅が広がったのを実感する。大石内蔵助の息子役を務めた前嶋利菜さん(33)も「小さいころから米国で演じるのが夢だった」と話す。

 俳優団体の調査によると、ニューヨークで舞台に立つ俳優のうちアジア系は18〜19年シーズンで6%程度と少ない。ただ、近年は劇場街ブロードウェーの業界団体などが俳優や脚本家などの多様化を目指し、アジア系の活躍の場も徐々に広がっている。

 アコさんは「次は中国系や韓国系、インド系なども集め、俳優それぞれの言語でシェークスピア劇をやってみたい」と夢を膨らませている。



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