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勇気ある女性たちの奮闘『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』、ドラマを観たような高揚感『モリコーネ 映画が恋した音楽家』など週末観るならこの3本!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS


週末に観てほしい映像作品3本を、MOVIE WALKER PRESSに携わる映画ライター陣が(独断と偏見で)紹介します!

MOVIE WALKER PRESSスタッフが、いま観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画「今週の☆☆☆」。今週は、映画プロデューサーの数十年に渡る性的暴行事件を告発した女性記者たちの実話を映画化したサスペンス、『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)、『アンタッチャブル』(87)などで知られる音楽家の姿に迫るドキュメンタリー、ゲイである高校生のアイデンティティや愛を巡った問題を当事者の目線で描いたドラマの、成し遂げる力強さに心打たれる3本。

彼女の勇気に敬意が払われているのも感慨深い…『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』(公開中)

【写真を見る】実際の被害者女性や目撃者とも連絡を取り合い脚本を作り上げたという(『SHE SAID/シー・セッド )その名を暴け』
【写真を見る】実際の被害者女性や目撃者とも連絡を取り合い脚本を作り上げたという(『SHE SAID/シー・セッド )その名を暴け』[c] Universal Studios. All Rights Reserved.

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや『世界にひとつのプレイブック』(12)など、数々の名作を世に送りだした映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン。本作は、ハリウッドの絶対的権力者による性的暴行を暴いたニューヨークタイムズ紙の女性記者2人の奮闘を記した衝撃の実話だ。ピューリッツアー賞受賞の調査報道を基に、#MeToo運動の起爆剤となった告発記事に至るまでの困難な道のりをスリリングに描いている。

セクハラ行為は示談金で火消しに回り、余計な詮索をする者には脅しによって不祥事をもみ消してきたワインスタイン。巨大権力による巧妙かつ卑怯な手口を前に、口をつぐむしかなかった非力な者たちの無念にやるせなくなる一方、問題の根幹が “性加害者を守る法システム”であったことに憤りが募る。その鉄壁の牙城を崩そうと、自身や家族を危険にさらしながらも突き進んだ記者たちの信念と未来を見据えて声をあげた被害女性の決意。スクープサスペンスとしても見ごたえある本作では、自身の被害を公表することで多くの追随者を生んだアシュレイ・ジャッドが本人役で出演。不自由な社会に1つの変革をもたらしたこの歴史的快挙の物語にリアルな感触を与えるとともに、彼女の勇気に敬意が払われているのも感慨深い。 (映画ライター・足立美由紀)

まるでエンタメ的魅力にあふれた音楽伝記映画…『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(公開中)

2020年にこの世を去ったエンニオ・モリコーネの半生を追う『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
2020年にこの世を去ったエンニオ・モリコーネの半生を追う『モリコーネ 映画が恋した音楽家』[c]2021 Piano b produzioni, gaga, potemkino, terras

美しいメロディ、斬新なサウンドで世界中の人々を魅了してきた映画音楽界の巨人、エンニオ・モリコーネ。2020年に91歳でこの世を去った彼の知られざる人生を、『ニュー・シネマ・パラダイス』以降、全監督作品でモリコーネとタッグを組んできた親友ジュゼッペ・トルナトーレ監督が1本のドキュメンタリー映画にまとめあげた。

157分のドキュメンタリーと聞いて、気後れすることなかれ。生前のモリコーネ本人による回想、著名人が語る印象的なエピソード、モリコーネが携わった映画の名シーン、心震わせる曲の数々とともに、タペストリーのごとく織り上げられていく人生は、まるでエンタメ的魅力にあふれた音楽伝記映画!音楽院で作曲を学んでいたモリコーネが、卒業後、クラシック音楽ではなく、商業音楽の道へ進んだことに対するアカデミック音楽界の冷たい反応。映画界での成功の陰で、常に劣等感を抱えていた彼が、60歳でトルナトーレ監督と出会い、再び映画音楽への情熱を取り戻して、ついに爽やかなリベンジをはたす。ラストには、一人の音楽家を主人公にした壮大なドラマを観たような高揚感に包まれるはずだ。理知的で、いつも真剣な表情をしているモリコーネが、最愛の妻マリアや、『ニュー・シネマ・パラダイス』の話をするときはニコッと可愛い笑顔を見せるのもいい。(映画ライター・石塚圭子)

激しすぎる感情のぶつかり合いは大きな見どころ…『世界は僕らに気づかない』(公開中)

飯塚花笑監督のオリジナル長篇第5作となる人間ドラマ『世界は僕らに気づかない』
飯塚花笑監督のオリジナル長篇第5作となる人間ドラマ『世界は僕らに気づかない』[c]「世界は僕らに気づかない」製作委員会

群馬県太田市に暮らす高校生の純悟と、その母親でフィリピン・パブで働くフィリピン人のレイナ。親子それぞれが直面するシビアな問題や、純悟が会ったことのない父親を探すドラマを通し、地方都市での外国人労働者のリアルや、母と息子の複雑な愛情関係をあぶりだしていく。純悟を演じるのは『東京リベンジャーズ』(21)などの堀家一希。レイナ役、ガウとの激しすぎる感情のぶつかり合いは本作の大きな見どころになっている。

純悟はゲイであり、同級生の恋人もいる。しかも彼らはパートナーシップ制度による将来の関係も見据えている。学校内で差別的言動を受ける描写も多少はあるとはいえ、高校生のゲイが自身のセクシュアリティを当然のように受け入れているところが本作の新しさ。数年先の社会を見つめているかのよう。監督を務めたのは、トランスジェンダー男性の飯塚花笑。人種にしても、セクシュアリティにしても、「周囲の多くの人とは違いつつ、ここに自分がいる」という意識が全編に貫かれているので、観ていて清々しい。(映画ライター・斉藤博昭)

映画を観たいけれど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて。

構成/サンクレイオ翼

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