──モノクロ映画で好きな作品を教えていただけますか?
MM:たくさんあります。シネマトグラファーのゴードン・ウィリスが好きなんです。『マンハッタン』とか『スターダスト・メモリー』とかウディ・アレンの映画をたくさん撮っている人で、『大統領の陰謀』(アラン・J・パクラ監督)もそう。あれはカラーだけど。エルマンノ・オルミっていうイタリアの映画作家の作品も本当に美しい。黒澤(明)の映画も見事なのがいっぱいあるね。『天国と地獄』が大好きです。小津(安二郎)の『東京物語』も美しい。フェリーニの『8 1/2』もすごい。トリュフォーの『ピアニストを撃て』も好きだな。すごくいっぱいあるからいくらでも続けられるよ。
【後篇につづく】
『カモン カモン』
4月22日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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https://happinet-phantom.com/cmoncmon/
マイク・ミルズ(Mike Mills)
PROFILE
1966年、カリフォルニア州バークリー生まれ。アディダス、ナイキ、ギャップなどのCMやエール、ブロンド・レッドヘッド、パルプなどのミュージック・ビデオを監督。また、ソニック・ユースやビースティ・ボーイズのレコード・カヴァーのデザインも手掛け、グラフィックアーティスト、デザイナーとして1990年代のニューヨークのカルチャーシーンで活躍。2005年、『サムサッカー』で長編映画監督デビュー。自身の体験を基に父と子の関係を描いた『人生はビギナーズ』(2010)では、同性愛をカミングアウトした父親役を演じたクリストファー・プラマーが第84回アカデミー賞助演男優賞を獲得。同作は数々の映画賞で高く評価され、ゴッサム・インディペンデント映画賞では作品賞を受賞した。続く『20センチュリー・ウーマン』(16)は、批評家・観客の双方から称賛され、アカデミー賞脚本賞にノミネート。自身初の快挙となった。また、07年に制作した長編ドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』では、日本の文化に抗うつ剤が導入されたことをめぐる問題を探り、現代社会が抱える問題を描き上げた。なおザ・ナショナルの8枚目のアルバム「I Am Easy To Find」の発売にあわせてリリースされた、同名の短編映画の監督を務めている。