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河北春秋(11/9):JR仙台駅前にあった映画館「仙台東宝」の… | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS


 JR仙台駅前にあった映画館「仙台東宝」のスクリーンは大きかった。最大で縦7メートル、横16メートル。客席は600近くあってロードショー館らしい雰囲気だった。32年前の今頃見たのがリドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』▼主演はマイケル・ダグラスさん、高倉健さん。ニューヨークと大阪の刑事が凶悪犯を追う。描かれる大阪の街は混沌(こんとん)としていてどこか未来的。そこで暗躍するやくざ「佐藤」。演じた松田優作さんが強烈な緊張感を漂わせた▼デビューはドラマ『太陽にほえろ!』のジーパン刑事。登場シーンは無銭飲食で捕まり留置場にボス役の石原裕次郎さんが来るという設定だった。台本には「おはようございます」のせりふだけ。「優作はふっと振り向いたかと思うと、大きなあくびをしたのだ」▼大スター相手に新人らしからぬアドリブ。「あのあくびを見た瞬間、成功を確信した」。プロデューサー岡田晋吉さんの著作にある。大野克夫さん作の音楽に乗って疾走する姿は『太陽』の代名詞になった▼東京で先日、優作さんの三十三回忌法要が営まれた。『ブラック・レイン』は病魔と闘いながらの撮影だったといい、公開から1カ月後に亡くなった。いまはもうない大スクリーンで見た迫真の演技。いつまでも忘れられない。(2021・11・9)

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