覆い隠し、そしてさらけ出すシースルードレスの数々。カンヌ映画祭の中で、偉大なスターたちが、透け感のあるドレスでレッドカーペットを魅了してきた。
【画像】禁断のグラマラス!カンヌを魅了した歴代女優のシースルードレスの数々
透け感のあるシースルードレスは、クロワゼットの魅惑的な武器。第七芸術と華やかなモードの世界とが出会うカンヌ映画祭のレッドカーペットでは、毎年、グラマーで、ゴージャスで、センシュアリティなルックが登場する。
スリット入りのドレス、きらびやかなジュエリー、荘厳なトレーン……。女優やモデルたちは、最も美しい衣装を身にまとい、超絶的な魅力を放つ。中でもデコルテや胸の谷間、あるいは全身のボディラインを見せるシースルードレスは、カンヌの禁断のグラマラスを表現するものだ。
第70回カンヌ国際映画祭のオープニングセレモニーで、モニカ・ベルッチは、全体が透けたインペリアルネイビーのドレスでパレ・デ・フェスティバルのステージに登場し、ステージパートナーのアレックス・ルッツと熱のこもったキスを交わした。それと同時に、胸元がちらりとのぞくディオールのシースルードレスの催眠術のような力によって、神話的な瞬間が刻まれた。
その4年後の2021年、フランスの女優メラニー・ティエリーは、7月12日の映画『フレンチ・ディスパッチ』上映会の大階段で、ディオールのスモーキーグリーンのドレスを纏い、さらに翌7月13日の映画『Tralala』上映会の大階段で2度の誘惑を放った。ショーツの上から纏ったスパンコールがきらめくトランスペアレントなセリーヌのクリエイションは、2021年版のハイライトとなった。
ビアンカ・ジャガーからケンダル・ジェンナーまで
1975年、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの元パートナーで女優のビアンカ・ジャガーが、カンヌのレッドカーペットに初めてシースルードレスで登場した。70年代のアイコンである彼女が纏ったスリット入りのブラックロングドレスのトップは、同色のチュール。リーフ模様の刺しゅうだけが胸元を隠していた。
この傑作は、後に90年代を代表する女優となるシャロン・ストーンをインスパイア。そして、2018年、スキャパレリによるクリエイションを纏い、白鳥のようにレッドカーペットを歩いたケンダル・ジェンナーの姿も記憶に新しい。さらに今年は、エヴァ・ロンゴリアが最新版のシースルールックを纏い、オープニングセレモニーに登場した。
シースルードレスは、見えない糸のように世代を超えるクリエイションなのだ。
text: Alexander Peters (madame.lefigaro.fr)